兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

3・21「借上公営住宅」強制退去問題 報告会  -対談 借上復興住宅からの転居者の実態について-

兵庫県震災復興研究センタ-の出口俊一です。
この度、『「災害多発社会を考える」報告書(Ⅵ)“復興災害”の現状と課題(その2)』(2月17日付)を作成しました。
同報告書の「借上公営住宅」問題篇で、はじめて転居者調査が明らかにされました。
そこで、執筆者の井口克郎神戸大学准教授と吉田維一弁護士のお2人に、下記の通り報告と対談をしていただくことにしました。
現下の状況を考え、ZOOM参加可能と致します。チラシは、添付ファイルに。
        -記-
3・21「借上公営住宅」強制退去問題 報告会
 -対談 借上復興住宅からの転居者の実態について-

◎日時:2021年3月21日(日)午後2時~4時30分

◎会場:ふたば学舎 多目的室
神戸市長田区二葉町7-1-18   078-646-8128
JR新長田駅から徒歩13分、駅1階に案内板あり。○地下鉄海岸線駒ヶ林駅から徒歩6分

◎内容:
借上復興住宅裁判で検討されなかった転居者の実態
吉田 維一氏(借上復興住宅弁護団事務局長)

転居者調査からみえる転居の生活・健康への影響
井口 克郎氏(神戸大学大学院発達環境学研究科准教授)

◎参加方法:■来場参加の場合
郵送、電話、FAX、Eメールいずれかで
①お名前
②所属または地域
③住所
④連絡先
⑤来場参加かZOOM参加か
をご連絡下さい。

■ZOOM参加
3月14日(日)までに、上記をご連絡下さい。報告書を郵送(送料込み、1,200円)し、
ZOOMの参加用リンクとカンパ振込先をお伝えします。

 

◎申し込み先:兵庫県震災復興研究センター
653-0041 神戸市長田区久保町7丁目4番10号
電話:078(691)4593 /FAX:078(691)5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
ホームページ:https://shinsaiken.hatenablog.com
携帯:090-5658-5242

◎主催:兵庫県震災復興研究センタ-、借上復興住宅弁護団
◎後援:神戸大学大学院人間発達環境学研究科 ヒューマン・コミュニティ創成研究センター

 

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報告会/「復興災害」の現状と課題

11・21報告会/「復興災害」の現状と課題 のご案内です(添付ファイルに案内)。

報告会/「復興災害」の現状と課題


“創造的復興”がもたらした復興災害

 新長田駅南の再開発地区は、林立するビルでまちの雰囲気が一変した。かつてのように人々の行き交いで賑わっておればいいのだが、真新しいビルでは多くのシャッターが下りたままになっている。あの大震災から26年近く経って、瓦礫は取り除かれきれいなまちになっているが、かつての雰囲気は戻っていない。震災から10日も経たないうちに、このときぞばかりにと20㌶にも及ぶ巨大な復興再開発事業が計画され、実行されてきた。
 「100年先を見通したまちづくり」が“創造的復興”の名で遂行されてきたのである。100年先には、現在の市民・被災者はいない。先を見通すことは時には重要なことではあるが、大震災に遭遇したような時に、震災を奇貨として「100年先を見通したまちづくり」は必要ではない。とにかく、「元の暮らし」ができるようになった時に、つまり危機のときではなく、平時の時に住民と行政が相談してすすめたらいいのである。

 26年もの長い年月が経ったにもかかわらず、復興は終わらず、次から次へと様々な問題が持ち上がってきている。
兵庫県震災復興研究センターでは2006年、それらは、国や自治体の復興政策の誤りや不十分さ=“創造的復興”路線がもたらしたもので、「復興災害」と呼んで警鐘を鳴らし、解決に向けて取り組んできている。
 復興災害をもたらした要因には2つのものがある。1つは、復興に名を借りた便乗型開発事業の側面であり、その典型が、新長田駅南再開発や神戸空港や地下鉄海岸線の建設である。もう1つは、復興プログラムの貧困さ、非人間性、非民主性、官僚性、後進性で、そこから生まれた単線型住宅復興政策は大量の孤独死を生み出し、「借上公営住宅」からの強制退去、震災障害者の長期にわたる放置などをもたらした。
新長田駅南再開発は、便乗型開発事業の側面と復興施策の非人間性、非民主性、官僚性の側面が重なって、最悪の状況をもたらしている(注)。

 

【復興災害の類型】
  ≪復興政策の貧困さ、非人間性、後進性、官僚性、無知・不作為≫

  (1)「借上公営住宅」からの強制的退去
  (2)巨大再開発事業-新長田駅南再開発事業
  (3)震災アスベスト
  (4)震災障害者
  (5)孤独死

 

  ≪便乗型開発事業≫

  (1)巨大再開発事業-新長田駅南再開発事業
  (2)神戸空港
  (3)地下鉄海岸線

 

 (注)塩崎賢明「阪神・淡路大震災-復興災害の20年-」(『大震災20年と復興災害』クリエイツかもがわ、2015年1月)

 

 被災者を救済しなければならない復興政策・方針を誤ると、極めて長期にわたって被災者を苦しめることになる。

新長田南再開発事業(26年経過)や「借上公営住宅」からの強制退去(11年近く経過)などの問題である。

 11月21日は、2つの問題の現状と課題について報告をする。

 

【報告会】

 ◎日時:11月21日(土)午後2時15分~4時50分
 ◎会場:神戸市勤労会館307号室(定員は、30人)
 ◎内容・次第:
    「復興災害」(①新長田南再開発、②借上公営住宅)の現状と課題について

Ⅰ.新長田駅南再開発事業 2時15分~3時30分
  ・報 告    出口 俊一  兵庫県震災復興研究センタ-事務局長
  ・コメント   広原 盛明  元京都府立大学学長
  ・質 疑

Ⅱ.「借上公営住宅」の強制退去問題 3時35分~4時50分
  ・報 告    出口 俊一 兵庫県震災復興研究センタ-事務局長
  ・コメント   吉田 維一 借上復興住宅弁護団事務局長
  ・質 疑

 ◎お願いとお断り:
資料準備の関係上、11月20日(金)までにお申し込みをお願い致します。
なお、午後1時~2時までは、同会場にて震災研究センターの常任理事会を開催しておりますこと、予めご了承願います。

 

【連絡先】
兵庫県震災復興研究センター
653-0041 神戸市長田区久保町7丁目4番10号
電話:078(691)4593
FAX: 078(691)5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
ホームページ:https://shinsaiken.hatenablog.com
 ⇒アドレスを10月から変更しました

13年目の「新長田駅南地区震災復興第二種市街地再開発事業」の現実 増田 紘

兵庫県震災復興研究センター第3回「災害復興連続セミナー&フィールドワーク」レジュメ

07年10月27日(土) 午後1時~5時 神戸大学工学部COE 神戸フィールドスタジオ(KFS)
13年目の「新長田駅南地区震災復興第二種市街地再開発事業」の現実

―新長田駅南地区を歩く―
常任理事 増田 紘(兵庫県自治体問題研究所事務局長・一級建築士)

レジュメはこちら

Hyogo Research Center for Quake Restoration

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Hyogo Research Center for Quake Restoration


About Us
Hyogo Research Center for Quake Restoration
Hyogo Research Center for Quake Restoration is a non-profit organization founded in 1995 at Kobe, immediately after the Great Hanshin Earthquake in Japan with the objective of providing support to the local people in their attempts to recover their lives. This organization has been conducting many surveys, and studies as well as policy proposals and symposiums throughout these ten years in their search to promote a safer and better living environment for the future.

 

Board members
SHIOZAKI Yoshimitsu is currently a professor at the Department of Architecture and Civil Engineering of Kobe University. His major studies are in the field of urban planning and housing policy. He was a graduate from Kyoto University (MA and Dr of Engg.). He is now serving as a senior board member of Hyogo Research Center for Quake Restoration. He has made a few publications about the restoration programs that have been taken after the Great Hanshin Earthquake in 1995.

NISHIKAWA Eiichi is currently a professor emeritus of Kobe Maritime University. He was a graduate of Osaka University (MA and Dr of Engg.). He is now serving as a senior board member of Hyogo Research Center for Quake Restoration. He is a co-author of Sustainable Development.

DEGUCHI Toshikazu is the Executive Director of the Hyogo Research Center for Quake Restoration. He was a graduate of Kansai University. He was formerly a public school teacher and is currently a lecturer in both Ristumeikan University and Hannan University. He is an author of Study on Human Rights Education.

Copyright(C) Hyogo Research Center for Quake Restoration,1996-2020

 

 

震災復興研究序説

震災復興研究序説 復興の人権思想と実際

著者:出口俊一
出版社:クリエイツかもがわ
定価:3,200円(税別)
判型:A5判、344ページ
ISBN978-4-86342-261-2 C0036
2019年6月刊

チラシをダウンロード(PDF)


《目次》

第1編 生活・住宅再建支援制度創設の経緯

第1章 阪神・淡路大震災に遭遇、そして個人補償・公的支援の要求へ

  1. 大震災直後の提言と復興への道
  2. 生活・住宅再建を求めて、雲仙・奥尻なみの個人補償要求の提起(1995年5月)

第2章 国、個人補償「的」支援を表明

  1. 「ゼロ回答」を越え「有額回答」へ
  2. 1998年5月、「被災者生活再建支援法」の制定
  3. 個人補償の法制化と被災者への「行政措置」

第3章 転機となった鳥取県西部地震(2000年10月)

  1. 「被災者生活再建支援法」の抜本改正は急務
  2. 被災者住宅再建支援制度の早期確立を
  3. 住宅再建支援問題をめぐる国会と政府の動向(2000年2月~2003年7月)

第4章 「被災者生活再建支援法」の2度の改正

  1. 2004年4月、「居住安定支援制度」の発足と課題
  2. 「台風災害・新潟県中越地震災害被災者の生活・住宅再建の支援策についての緊急9項目提案」の提出(2004年11月1日)
  3. 能登半島地震の復興の現状と課題(2007年3月)
  4. 新潟県中越沖地震被災者の生活・住宅再建に関する緊急6項目提案」の提出(2007年7月19日)
  5. 「被災者生活再建支援法」2度目の改正の論点(2007年10月21日)
  6. 2007年11月、「被災者生活再建支援法」の2度目の改正とその効果
  7. 2013年9月の竜巻災害における被災者支援策の現状と課題

第2編 大震災の検証と教訓、多発する自然災害と「災害救助法」徹底活用

第1章 大震災の検証と教訓

  1. 大震災いまだ終わらず?5年の復興検証(2000年1月)
  2. 「復興基金」の5年と改善の方向(2000年5月)
  3. 1,800億円の義援金とその配分(2000年5月)
  4. 大震災と人権の救済(2002年1月)

第2章 多発する自然災害と「災害救助法」徹底活用

  1. 東日本大震災6か月、いまこそ被災者救済を
  2. 「災害救助法」の評価の変遷(2011年9月21日)
  3. 「災害救助法」の徹底活用を(2012年2月7日)
  4. 「災害復興制度」確立は急務(2011年)
  5. 「復興」について初の恒久法の制定(2013年)

第3編 大災害への備えを考える(2005年1月)―インタビュー 知事が語る大災害への備え

第1章 「富国強兵」路線の克服こそ、被災地再生の道─救援ボランティアと神戸空港住民投票運動は私の原点……信州・長野県知事 田中康夫

第2章 大震災から10年、被災の原点を忘れるな……鳥取県知事 片山善博

第3章 大震災の教訓と南海大地震への備え……高知県知事 橋本大二郎

第4編 いまなお「復興災害」

第1章 新長田南再開発に未来はあるか

  1. 災害便乗型巨大再開発
  2. 計画され過ぎた神戸の下町・新長田というまち
  3. 新長田のまちの2つの課題と施策
  4. 動き出した区分所有者

第2章 「借上公営住宅」の強制退去問題を考える

  1. 「借上公営住宅」とは
  2. 歓迎されて導入された「借上公営住宅
  3. 強制退去策の先頭を走った神戸市の「第2次市営住宅マネジメント計画」(案)(2010年5月)
  4. 「借上公営住宅」はなぜ、20年間であったのか
  5. 「第2次市営住宅マネジメント計画」は、策定根拠の住生活基本法や住宅セーフティネット法に違反
  6. 入居者の現状
  7. 「返還の契約を守るべきだ」(矢田立郎神戸市長、2010年11月)は、ルールと常識に適っているのか
  8. 自治体によって侵害されている「借上公営住宅」入居者の基本的人権
  9. 「優遇策」とか「公平性」を言うが、公平性を欠くのは神戸市など自治体の政策
  10. 借上料
  11. 不問になっている強制退去策の判断・決定・遂行の責任
  12. 公営住宅法25条2項の義務規定を棚上げ・無視して退去通知は、法治主義を逸脱
  13. 「住宅の明け渡し訴訟に関する市長の専決処分」方針を改め、市議会に諮るのが適当
  14. 神戸市と西宮市が入居者を提訴
  15. 2010年5月から3年近くの取り組みで、ようやく一部の継続居住を認めた兵庫県と神戸市
  16. 取り組み始めて3年の時点で、“ゼロ回答”から“有額回答”に

 

住むこと 生きること 追い出すこと

住むこと 生きること 追い出すこと

著:市川英恵 編:兵庫県震災復興研究センター
出版社:クリエイツかもがわ
定価:1,200円(税別)
判型:A5判、92ページ
ISBN978-4-86342-250-6 C0036
2019年1月刊

1995年の阪神・淡路大震災後、被災自治体が直接建設し所有する住宅に加えて、URなど民間オーナーの住宅を借り上げ、被災者に復興住宅として提供した「借上復興住宅」。20年以上たった今、自治体はその入居者に退去を求めて提訴、入居時に期限があることを知らされていなかった入居者たちは困っています。
住み続けたい人が追い出されるってどういうこと? 入居者の声を聞き、自治体の主張を整理。研究者、医師、弁護士との対話から、居住福祉、医療、健康、法律について考えます。

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《ご紹介いただきました》


《目次》

借上復興住宅入居者の生活実態
 Nさんのお話から

神戸市はどんな主張をしているの?
 塩崎賢明

被災者の健康を考える
 居住福祉(早川和男
 医療(廣川惠一)
 健康相談(武村義人)

健康権・避難の権利を考える
 行政の使命(中川智子
 健康権(井口克郎)
 避難の権利(井戸謙一)

COLUMN
●“明渡し”を求める ことはできる?
●「追い出し」 判決の問題点
(水野吉章)

福島原発事故 取り残される避難者

福島原発事故 取り残される避難者

著者:戸田典樹
出版社:明石書店
定価:2,400(税別)
判型:A5判、256ページ
ISBN 9784750346519
2018年3月刊
出版社の紹介ページ


《目次》

はじめに


第Ⅰ部 福島原発事故による被災者の生活問題

第1章 原発避難いじめの実態と構造的暴力[辻内琢也]
 1 「原発避難いじめ」の実態
  1)中高6年間にわたる犯罪的暴力
  2)近隣の大人からのいじめ
  3)親子で受けてきた無視・誹謗中傷・暴力
  4)テレビや新聞で取り上げられるたびに受けるいじめ
  5)転校せざるを得なかったいじめ
 2 原発避難いじめ調査
  1)調査の概要
  2)子どものいじめの概況
  3)子どものいじめの内容
  4)学校の対応について
  5)大人社会に広がるいじめ
 3 アンケート自由記述の分析
  1)原発いじめの具体的内容
  2)原発いじめはなぜいま問題になったのか
 4 いじめの構造
  1)いじめ定義の変遷
  2)いじめの種類とタイプ
  3)「いじめ防止対策推進法」の抱える課題
  4)原発避難いじめの構造
 5 構造的暴力の仕組み
  1)不合理な避難・帰還区域の設定
  2)作られた安全・安心神
  3)構造的暴力によって生じた社会的虐待
 6 原発いじめに対する文部科学省の調査
 おわりに

第2章 楢葉町に見る自治体職員の生活実態と新たな課題――帰還できる町・楢葉町[渡部朋宏]
 はじめに
 1 原発事故発生からの避難経過
 2 原発事故避難における職員対応の実態と苦悩
 3 町の復興に向けた職員の新たな使命

第3章 避難している子どもを支える居場所づくり[江川和弥・戸田典樹]
 はじめに
 1 震災から7年目の現実
  1)「居場所」づくり活動と子どもたちの今
  2)大熊に帰れないと決めた子育て世代
 2 縮小される被災者支援
 3 NPOやボランティアが支えてきた子どもの「居場所」づくり
  1)震災後の活動の経過
  2)大熊町の子ども支援の枠組みづくり――大熊町地域学習応援協議会の活動
 4 大学生と子どもたちの「斜めの関係」と支援のふりかえり
 5 「居場所」づくりにおける到達点と課題
 おわりに


第Ⅱ部 阪神・淡路大震災チェルノブイリ原発事故から考える――社会的支援の縮小・住宅政策の問題点と課題

第4章 「借上公営住宅」の強制退去問題を考える[出口俊一]
 はじめに
 1 「借上公営住宅」とは
 2 強制退去策の先頭を走った神戸市の「第2次市営住宅マネジメント計画(案)」
 3 歓迎されて導入された借上公営住宅
 4 「借上公営住宅」はなぜ20年間であったのか
 5 入居者の現状
  1)入居者の声
  2)きわめて高い高齢化率
 6 神戸市のやり方はルールと常識に適っているのか
  1)陳情書への対応
  2)神戸市と事業者
  3)民間家主(オーナー)の意向
  4)神戸市と入居者
 7 公平性を欠く自治体の政策
  1)神戸市会議員の意見
  2)「神戸市借上市営住宅懇談会」委員の意見
  3)『兵庫県借上県営住宅活用検討協議会 報告書』(2013年3月)
 8 借上料― 神戸市「第2次市営住宅マネジメント計画」の説明と実際
 9 強制退去策の判断・決定・遂行の責任を問う
 10 法治主義を逸脱した退去通知
 11 ようやく一部の継続居住を認めた兵庫県と神戸市だが……
 12 目標は“希望する入居者の継続居住”
  1)神戸市が12団地551戸の「UR借上住宅」を買い取ると発表
  2)20年期限は「公営住宅法の要請」なのか
  3)取り組み始めて8年

第5章 阪神・淡路大震災後22年にみる住宅政策の課題――「借上公営住宅」入居者退去問題に焦点をあてて[戸田典樹]
 はじめに
 1 借上公営住宅から退去を迫る兵庫県、神戸市、西宮市
 2 阪神・淡路大震災において住宅支援を受けた人たちの状況
 3 借上公営住宅からの退去命令を受けた人たち
 4 退去命令を受けた入居者の生活を考える
 おわりに

第6章 原発被災者の長期支援の必要性――チェルノブイリ原発事故被災者のインタビュー調査を通して[田中聡子]
 はじめに
 1 チェルノブイリと福島
 2 チェルノブイリ法が被災者を支える
 3 チェルノブイリ原発事故被災者のインタビュー調査
  1)インタビュー対象者
  2)プリピャチからの避難
  3)第2ゾーンと第3ゾーンで移住しなかったナロジチ
  4)インタビュー調査のまとめ
 4 福島第一原発事故の被災者を考える上で重要なことは何か

第7章 長期的避難生活を送る子どもを抱える家族への支援を考える[戸田典樹]
 はじめに
 1 チェルノブイリ原発事故と福島第一原発事故における避難指示
 2 両原発事故における被災者を対象とした調査
  1)避難指示により避難した人たち
  2)避難する状況にありながらも避難しなかった人たち
  3)避難の正当性を認められなかった人たち(自主避難者)
  4)避難したが帰還してきた人たち
 3 考察
 おわりに

第8章 福島原発事故避難者問題の構造とチェルノブイリ法[大友信勝]
 1 研究の背景と目的
 2 福島原発事故避難者問題の現局面
  1)帰還政策の現状
  2)避難者の意向調査から
  3)災害救助法の適用打ち切り
 3 避難者問題の構造
  1)「自主避難」の背景と要因
  2)「自主避難」問題の視点
 4 原発事故における避難の視点と位置
  1)チェルノブイリ法の特徴
  2)ウクライナ政府報告書
  3)子ども・被災者支援法
 5 チェルノブイリ法の教訓と避難者問題
  1)緊急時被曝状況
  2)ウクライナ政府報告書と「疫学的手法」
  3)チェルノブイリ原発事故調査チーム
 6 研究課題
  1)「疫学的手法」について
  2)「自主避難」問題の背景と構造
  3)チェルノブイリ法との比較研究


第Ⅲ部 福島原発事故被災者の夢と希望


第9章 避難者の実質的生活補償へ[津久井進]
 1 「生活」を取り戻す
 2 賠償の現状
 3 補償を阻む3つの課題
  1)制度の不備・不存在
  2)政府方針
  3)公平の原則
 4 生活補償を実現するために――災害ケースマネジメント
  1)災害ケースマネジメントの必要性
  2)仙台市「被災者生活再建加速プログラム」の取り組み
  3)一人ひとりに向き合う生活補償を

第10章 米山隆一新潟県知事インタビュー――原発事故、その影響と課題[聞き手:大友信勝・戸田典樹]
 福島原発事故およびその影響と課題についての検証――最初の課題は物理的に何が起こったか
 健康と生活に及ぼした影響の検証
 放射線科医の視点から見えるもの
 避難計画をめぐる検証
 柏崎刈羽原発再稼働をめぐる動向
 代替エネルギーの考え方
 福島原発事故避難者への住宅等の支援
 避難者への誤解
 避難計画公聴会をめぐって
 子どもたちが原発事故をみる視点
 情報公開と市民的目線で――民主主義を貫き通すということ

 おわりに