兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

震災復興研究序説

震災復興研究序説 復興の人権思想と実際

著者:出口俊一
出版社:クリエイツかもがわ
定価:3,200円(税別)
判型:A5判、344ページ
ISBN978-4-86342-261-2 C0036
2019年6月刊

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《目次》

第1編 生活・住宅再建支援制度創設の経緯

第1章 阪神・淡路大震災に遭遇、そして個人補償・公的支援の要求へ

  1. 大震災直後の提言と復興への道
  2. 生活・住宅再建を求めて、雲仙・奥尻なみの個人補償要求の提起(1995年5月)

第2章 国、個人補償「的」支援を表明

  1. 「ゼロ回答」を越え「有額回答」へ
  2. 1998年5月、「被災者生活再建支援法」の制定
  3. 個人補償の法制化と被災者への「行政措置」

第3章 転機となった鳥取県西部地震(2000年10月)

  1. 「被災者生活再建支援法」の抜本改正は急務
  2. 被災者住宅再建支援制度の早期確立を
  3. 住宅再建支援問題をめぐる国会と政府の動向(2000年2月~2003年7月)

第4章 「被災者生活再建支援法」の2度の改正

  1. 2004年4月、「居住安定支援制度」の発足と課題
  2. 「台風災害・新潟県中越地震災害被災者の生活・住宅再建の支援策についての緊急9項目提案」の提出(2004年11月1日)
  3. 能登半島地震の復興の現状と課題(2007年3月)
  4. 新潟県中越沖地震被災者の生活・住宅再建に関する緊急6項目提案」の提出(2007年7月19日)
  5. 「被災者生活再建支援法」2度目の改正の論点(2007年10月21日)
  6. 2007年11月、「被災者生活再建支援法」の2度目の改正とその効果
  7. 2013年9月の竜巻災害における被災者支援策の現状と課題

第2編 大震災の検証と教訓、多発する自然災害と「災害救助法」徹底活用

第1章 大震災の検証と教訓

  1. 大震災いまだ終わらず?5年の復興検証(2000年1月)
  2. 「復興基金」の5年と改善の方向(2000年5月)
  3. 1,800億円の義援金とその配分(2000年5月)
  4. 大震災と人権の救済(2002年1月)

第2章 多発する自然災害と「災害救助法」徹底活用

  1. 東日本大震災6か月、いまこそ被災者救済を
  2. 「災害救助法」の評価の変遷(2011年9月21日)
  3. 「災害救助法」の徹底活用を(2012年2月7日)
  4. 「災害復興制度」確立は急務(2011年)
  5. 「復興」について初の恒久法の制定(2013年)

第3編 大災害への備えを考える(2005年1月)―インタビュー 知事が語る大災害への備え

第1章 「富国強兵」路線の克服こそ、被災地再生の道─救援ボランティアと神戸空港住民投票運動は私の原点……信州・長野県知事 田中康夫

第2章 大震災から10年、被災の原点を忘れるな……鳥取県知事 片山善博

第3章 大震災の教訓と南海大地震への備え……高知県知事 橋本大二郎

第4編 いまなお「復興災害」

第1章 新長田南再開発に未来はあるか

  1. 災害便乗型巨大再開発
  2. 計画され過ぎた神戸の下町・新長田というまち
  3. 新長田のまちの2つの課題と施策
  4. 動き出した区分所有者

第2章 「借上公営住宅」の強制退去問題を考える

  1. 「借上公営住宅」とは
  2. 歓迎されて導入された「借上公営住宅
  3. 強制退去策の先頭を走った神戸市の「第2次市営住宅マネジメント計画」(案)(2010年5月)
  4. 「借上公営住宅」はなぜ、20年間であったのか
  5. 「第2次市営住宅マネジメント計画」は、策定根拠の住生活基本法や住宅セーフティネット法に違反
  6. 入居者の現状
  7. 「返還の契約を守るべきだ」(矢田立郎神戸市長、2010年11月)は、ルールと常識に適っているのか
  8. 自治体によって侵害されている「借上公営住宅」入居者の基本的人権
  9. 「優遇策」とか「公平性」を言うが、公平性を欠くのは神戸市など自治体の政策
  10. 借上料
  11. 不問になっている強制退去策の判断・決定・遂行の責任
  12. 公営住宅法25条2項の義務規定を棚上げ・無視して退去通知は、法治主義を逸脱
  13. 「住宅の明け渡し訴訟に関する市長の専決処分」方針を改め、市議会に諮るのが適当
  14. 神戸市と西宮市が入居者を提訴
  15. 2010年5月から3年近くの取り組みで、ようやく一部の継続居住を認めた兵庫県と神戸市
  16. 取り組み始めて3年の時点で、“ゼロ回答”から“有額回答”に