兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

内閣府主催「第7回 10・22~23 ぼうさいこくたい」のポスタ-展示についてのご連絡・お願い

兵庫県震災復興研究センターの出口俊一です。

内閣府主催「第7回 10・22~23 ぼうさいこくたい」のポスタ-展示についてのご連絡・お願いです。 

1.テーマは、「災害復興と復興災害」としています。
  ●「借上公営住宅」問題、●新長田南再開発問題 等々の復興災害の検証や報道内容です。 
  QRコードをつけていますので、ユウチュウブの震災研チャンネルが視聴できます。 

2.日時は、「10月22日(土)午前10時30分~午後5時」「23日(日)午前10時30分~午後3時30分」です。 

3.出展場所は、HAT神戸の「人と防災 未来センタ-」東館1階ロビ-です。会場に入ってすぐのところです。 
  JR灘駅南口から南西に徒歩12分です。兵庫県立美術館の並びで、同館より数百メートル西側の建物です。 

 

みなさま方の周りの方々にもお知らせしていただければ幸いに存じます。

取り急ぎ、ご連絡・お願いまで。

 

【連絡先】
兵庫県震災復興研究センター
653-0041 神戸市長田区久保町7丁目4番10号
電 話:078(691)4593
FAX:078(691)5985
携帯:090-5658-5242
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
ホームページ:https://shinsaiken.hatenablog.com
郵便振替:01100-4-62628
銀行口座:三井住友銀行神戸駅前支店/7663497

9・25新長田南活性化フォーラムのご案内

9・25新長田南活性化フォーラムのご案内です。

1.神戸市都市局主催の「新長田南活性化フォーラム」が9月25日(日)午後、開催されます。 

2.去る7月、神戸市都市局からフォーラム開催につき協力要請があり、松本誠氏(市民まちづくり研究所所長)にパネリストとして参加していただくことになりました。案内のチラシは、pdfファイルの通りです。 

3.大震災27年半の経過のなかでは、このように兵庫県震災復興研究センタ-に協力要請がなされたことは、はじめてのことです。 

◎ 日時:9月25日(日)午後2時~4時
◎ 場所:ダンスボックス/大正筋商店街・アスタくにづか4番館4階 ※ 案内チラシに地図掲載 
◎ パネリスト:市民検証研究会の松本誠氏(市民まちづくり研究所所長)ほか、久元喜造神戸市長も出席されるとのことです。
◎ 応募締切:9月14日(水)チラシのQRコードを読み込んで予約して下さい。
◎ 問い合わせ先:神戸市都市局地域整備推進課 電話/078-595₋6748

4.本件の転送・転載、よろしくお願いいたします。

 

2022年6月4日、阪神・淡路大震災10000日にあたって

2022年6月4日 阪神・淡路大震災10,000日
“復興災害”を克服し、被災者の最後の一人まで救済を
出口 俊一

あの日 1995年1月17日から27年138日=10,000日

 2022年6月4日、あの日・1995年1月17日から10,000日。
被災地10市・10町は、面的には兵庫県全土(8,365.99㎢)の約20%(5分の1)にあたる1,655.92㎢であるが、当時の全人口(5,432,998人)の約64%(5分の3強)にあたる3,479,065人が被災者となり、甚大な被害をもたらした。

主な被害状況は、下記の通り。

兵庫県内の被害状況等(平成18年5月19日確定)
出所:「阪神・淡路大震災の復旧・復興の状況について」(兵庫県、平成31年1月)
※(2)~(6)最後尾の[ ]内の数値は他府県を含む阪神・淡路大震災全体の数値を表す。

(1) 災害救助法の適用 旧10 市10 町
神戸・尼崎・明石・西宮・洲本・芦屋・伊丹・宝塚・三木・川西の10市、津名・淡路・北淡・一宮・五色・東浦・緑・西淡・三原・南淡の10町。10町は現在、淡路市南あわじ市の2市に。

(2) 死者数 6,402人[6,434人]
※ H7年1~6月の死者に係る死因では窒息・圧死が77.0%、年齢別では65歳以上が43.7%を占める(厚生省調べ)。

(3) 行方不明 3人[3人]

(4) 負傷者数 40,092人[43,792人]

(5) 住家被害 538,767 棟[639,686 棟]
うち、全壊 104,004 棟(182,751 世帯)、半壊 136,952 棟(256,857世帯)

(6) 焼損棟数 7,534棟[7,574棟]
うち、全焼 7,035棟、半焼 89棟

(7) 避難者数(ピ-ク時:H7.1.23) 316,678 人、1,153 箇所
※ 応急仮設住宅が全て完成したことに伴い、平成7年8月20 日をもって災害救助法による避難所の設置運営を終了

 

“復興災害”の克服を

 27年余り(10,000日)も経てば、生活・住宅再建ができた被災者は多数にのぼるであろう。しかし、当初予想もしなかった事態が大震災の被災地ではいまもなお続き、被災者を苦しめている。

 この12年、兵庫県震災復興研究センターなどが問題点を調査・研究し、解決に向けて取り組み、警鐘を鳴らしてきた「借上公営住宅」からの強制退去問題である。

 本来、住民の生命・財産を守り、福祉の増進を図らなければならい地方自治体(神戸市、西宮市)が、復興公営住宅市営住宅)の入居者である被災者を裁判に訴えて、市営住宅からの退去を迫ってきた。そしてこの間、神戸地裁、大阪高裁、最高裁も入居者の訴えを退けている。
神戸市営住宅の「借上」転居予定者は2022年1月1日現在、400世帯。その内、半数以上(249世帯)は、継続入居可能。残りの151世帯は、まだ「20年」になっていない。
裁判所は、神戸地裁、大阪高裁、最高裁何れも「住居の明け渡し、損害金の支払い」を命じ、入居者にとって厳しい結果となった。地裁、高裁の裁判をすべて傍聴してきたが、改めて「裁判所は何のためにあるのか」と思わざるを得なかった。

 住まいの問題だけでなく、まちづくり(新長田駅南地区復興再開発)の問題、とりわけ、神戸市や神戸市の第三セクターである新長田まちづくり(株)が惹き起こした「高い管理費、高い固定資産税、多額の借金」の三重苦からの解決をめざしている商業権利者の苦闘もなお継続中である。
ほかにも、被災者が借り入れた「災害援護資金」の返済もなお、解決に向けた途上にある。

 何れも地方自治体や国による誤っているか、それとも不十分な政策によって惹き起こされた“復興災害”である。

 一義的には、地方自治体が本来の役割に立ち戻り、誤った政策の是正を図ることである。同時に、“復興災害”に見舞われた当事者と支援者による一層の知恵と力の結集によって、事態の前進的打開を図っていかなければならない。“復興災害”は、人間とその組織がつくり出したものである。人々と社会の力によって一日も早く、解決しなければならない。市民力も問われているのである。

 あの日から10,000日経つ被災地の“復興災害”の解決に向けてより一層の力を注いでいきたい。“被災者の最後の一人まで救済を”すすめていかなければならない。

 

【参考文献】
下記の書籍に詳述されていますので、参考にしていただければ幸いです。

○塩崎賢明・西川榮一・出口俊一編『大震災20年と復興災害』(クリエイツかもがわ、2015年1月17日)

○市川英恵『「被災者のニーズ」と「居住の権利」-借上復興住宅・問題』(クリエイツかもがわ、2017年3月17日)

○市川英恵『住むこと 生きること 追い出すこと-9人に聞く借上復興住宅』(クリエイツかもがわ、2019年1月17日)

○出口俊一『震災復興研究序説-復興の人権思想と実際』(クリエイツかもがわ、2019年7月17日)

広原盛明・松本 誠・出口俊一編『負の遺産を 持続可能な資産へ』(クリエイツかもがわ、2022年2月17日)
 
(でぐち としかず、兵庫県震災復興研究センター事務局長)



第2回「新長田・まち再生連続講座in新長田」のご案内

第2回「新長田・まち再生連続講座in新長田」のご案内です。
◎参加申し込みをFAXまたはメールにてお願いします。
◎チラシは、PDFファイルをご覧下さい。

 

◆2回目:5月21日(土)午後1時30分~4時30分、ふたば学舎 会議室1-1
・テーマ:3層ネットワーク・大改造 ビフォー&アフター
・報告者:大津俊雄、竹山清明
・司 会:出口俊一

 

◆3回目:6月18日(土)午後1時30分~4時30分、長田区文化センタ-講習室2(JR新長田駅前)
・テーマ:まち再生の担い手は誰か
・報告者:松本 誠、出口俊一
・司 会:広原盛明

 

新長田・まち再生連続講座in新長田

「新長田・まち再生連続講座in新長田」のご案内です。

◎報告は、「負の遺産を持続可能な資産へ」の執筆者が分担して行います。

◎参加申し込みをFAXまたはメールにお願いします。
◎チラシは、PDFファイルをご覧下さい。

◆1回目:4月16日(土)午後1時30分~4時、ふたば学舎 会議室2-2

・テーマ:現代の下町と新長田再生
・報告者:広原盛明、髙田富三
・司会:竹山清明

◆2回目:5月21日(土)午後1時30分~4時、ふたば学舎 会議室2-2
・テーマ:3層ネットワーク・大改造 ビフォー&アフター
・報告者:大津俊雄、竹山清明
・司会:出口俊一

◆3回目:6月18日(土)午後1時30分~4時、ふたば学舎 会議室2-1
・テーマ:まち再生の担い手は誰か
・報告者:松本 誠、出口俊一
・司会:広原盛明

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「被災者を助けたい」阪神・淡路大震災、最後の一人まで救済を

兵庫県震災復興研究センターの出口俊一です。
ただいま、クラウドファンディングの取り組みをしています。

◆タイトル:「被災者を助けたい」阪神・淡路大震災、最後の一人まで救済を

今回は、「借上公営住宅」の退去問題の市民検証活動を中心にすすめています。 
昨年、ご支援いただきました新長田南再開発の市民検証報告書『負の遺産を持続可能な資産へ』は 1月末に刊行し、ただいま普及の取り組みをしています。ご連絡をいただきましたら、お送り致します。 

新長田駅南再開発問題のシンポジウムは、3月19日(土)午後1時30分~、新長田のふたば学舎にて開きます。
ふたば学舎は、JR新長田駅南西徒歩13分です。

◆期間:2022年1月14日(金)~2月28日(月)

◆URL:https://camp-fire.jp/projects/view/537537

◆お願い:改めて、ご支援をお願い致します。また、お手数ですが、みなさま方の周りの方々に、本メールの転送・拡散をお願いできますでしょうか。

以上、重ねてお願い申し上げます。

2・6新長田南再開発・市民検証シンポジウムの延期について

2・6新長田南再開発・市民検証シンポジウムの延期についてのご連絡とお願いです。

2月6日(日)に予定しています市民検証報告書『負の遺産を持続可能な資産へ』出版記念シンポジウムについてですが、
「まん延防止等重点措置」の期間に入ることになりますので
「3月19日(土)午後1時30分~4時30分、ふたば学舎1階多目的室に延期する」ことにしました。

ご参加いただけます場合は、メールまたはFAXにてご連絡をお願い致します。