11・21報告会/「復興災害」の現状と課題 のご案内です(添付ファイルに案内)。
報告会/「復興災害」の現状と課題
“創造的復興”がもたらした復興災害
新長田駅南の再開発地区は、林立するビルでまちの雰囲気が一変した。かつてのように人々の行き交いで賑わっておればいいのだが、真新しいビルでは多くのシャッターが下りたままになっている。あの大震災から26年近く経って、瓦礫は取り除かれきれいなまちになっているが、かつての雰囲気は戻っていない。震災から10日も経たないうちに、このときぞばかりにと20㌶にも及ぶ巨大な復興再開発事業が計画され、実行されてきた。
「100年先を見通したまちづくり」が“創造的復興”の名で遂行されてきたのである。100年先には、現在の市民・被災者はいない。先を見通すことは時には重要なことではあるが、大震災に遭遇したような時に、震災を奇貨として「100年先を見通したまちづくり」は必要ではない。とにかく、「元の暮らし」ができるようになった時に、つまり危機のときではなく、平時の時に住民と行政が相談してすすめたらいいのである。
26年もの長い年月が経ったにもかかわらず、復興は終わらず、次から次へと様々な問題が持ち上がってきている。
兵庫県震災復興研究センターでは2006年、それらは、国や自治体の復興政策の誤りや不十分さ=“創造的復興”路線がもたらしたもので、「復興災害」と呼んで警鐘を鳴らし、解決に向けて取り組んできている。
復興災害をもたらした要因には2つのものがある。1つは、復興に名を借りた便乗型開発事業の側面であり、その典型が、新長田駅南再開発や神戸空港や地下鉄海岸線の建設である。もう1つは、復興プログラムの貧困さ、非人間性、非民主性、官僚性、後進性で、そこから生まれた単線型住宅復興政策は大量の孤独死を生み出し、「借上公営住宅」からの強制退去、震災障害者の長期にわたる放置などをもたらした。
新長田駅南再開発は、便乗型開発事業の側面と復興施策の非人間性、非民主性、官僚性の側面が重なって、最悪の状況をもたらしている(注)。
【復興災害の類型】
≪復興政策の貧困さ、非人間性、後進性、官僚性、無知・不作為≫
(1)「借上公営住宅」からの強制的退去
(2)巨大再開発事業-新長田駅南再開発事業
(3)震災アスベスト
(4)震災障害者
(5)孤独死
≪便乗型開発事業≫
(1)巨大再開発事業-新長田駅南再開発事業
(2)神戸空港
(3)地下鉄海岸線
(注)塩崎賢明「阪神・淡路大震災-復興災害の20年-」(『大震災20年と復興災害』クリエイツかもがわ、2015年1月)
被災者を救済しなければならない復興政策・方針を誤ると、極めて長期にわたって被災者を苦しめることになる。
新長田南再開発事業(26年経過)や「借上公営住宅」からの強制退去(11年近く経過)などの問題である。
11月21日は、2つの問題の現状と課題について報告をする。
【報告会】
◎日時:11月21日(土)午後2時15分~4時50分
◎会場:神戸市勤労会館307号室(定員は、30人)
◎内容・次第:
「復興災害」(①新長田南再開発、②借上公営住宅)の現状と課題について
Ⅰ.新長田駅南再開発事業 2時15分~3時30分
・報 告 出口 俊一 兵庫県震災復興研究センタ-事務局長
・コメント 広原 盛明 元京都府立大学学長
・質 疑
Ⅱ.「借上公営住宅」の強制退去問題 3時35分~4時50分
・報 告 出口 俊一 兵庫県震災復興研究センタ-事務局長
・コメント 吉田 維一 借上復興住宅弁護団事務局長
・質 疑
◎お願いとお断り:
資料準備の関係上、11月20日(金)までにお申し込みをお願い致します。
なお、午後1時~2時までは、同会場にて震災研究センターの常任理事会を開催しておりますこと、予めご了承願います。
【連絡先】
兵庫県震災復興研究センター
653-0041 神戸市長田区久保町7丁目4番10号
電話:078(691)4593
FAX: 078(691)5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
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