兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

8・9〜10能登訪問についての第1次報告

2007年8月17日
「復興支援ネットワーク・能登中越沖」各位

事務局の出口俊一(兵庫県震災復興研究センター)です。

8・9〜10能登訪問についての第1次報告です。

8月9日(木)〜10日(金)、野崎隆一(神戸まちづくり研究所)、村井雅清(被災地NGO恊働センター)、出口俊一(兵庫県震災復興研究センター)の3人が石川県七尾市輪島市を訪問してきました。成果のある訪問となりました。第1次報告です。

1.8月9日(木):JR大阪(10:42/サンダーバード15号)〜JR七尾(14:10)。

2.8月9日(木)、七尾市内にて中間支援組織立ち上げについて懇談。  
・14:20 内山(谷内)博史氏(七尾街づくりセンター株式会社事業部長)、
 〜15:10 櫻井定宗氏(JC石川ブロック協議会会長/能登生國玉比古神社宮司)と懇談(情報処しるべ蔵)。
・15:00 村井雅清さん合流。櫻井氏、退席し金沢へ。引き続き、内山氏と懇談。
 〜16:10
・16:30 旅館「さたみ屋」(1泊朝食/6500円・税込み)にチェックイン。
・18:00 旅館近くの「幸寿司」にて内山氏を交えて夕食。
・19:00 和倉温泉の銭湯「総湯」(入湯料金450円)に入浴。
 〜21:00
・21:40 森山奈美さん(株式会社御祓川チーフマネージャー)合流。再度、懇談(情報処しるべ蔵)。
 〜23:20 

《プロフィール》
◆谷内博史(七尾街づくりセンター株式会社):中間支援組織立ち上げの中心メンバー。
 NPO政策研究所、ローカルガバナンス研究所に在籍。結婚を機に能登へ。旧姓、内山。街づくりセンターは、中心市街地活性化を目的とした第三セクター。活動の基盤は七尾市

◆櫻井定宗(JC石川ブロック協議会会長):中間支援組織立ち上げの中心メンバー。
 能登生國玉比古神社宮司能登全域でJCが行っている地域活動へのつなぎ役。構想中の中間支援組織が、能登被災地全域をカバーできるかのキーマン。

◆森山奈美(株式会社御祓川):中間支援組織立ち上げの中心メンバー。
 都市計画が専門。御祓川(みそぎがわ)浄化運動に取り組み平成11年にJCのOBと会社を設立。御祓川の川沿い修景計画など行政とのつながりは強い。アイデアも豊富そう。地元のこども基金の理事も兼務。川の浄化運動では有名人。

■地域に根をおろした2人の専門家が、JCと連携してネットワークをつくるというのは、結構理想的な形と思えます。神戸からの支援先としては、問題ないと思われます。後は、穴水町輪島市へどれくらいネットワークを浸透できるかが今後の課題ですが、ネットワークの必要性を他地区の活動団体がどのように認識するかにかかっているのでしょう。神戸から積極的にその必要性を発信することも大切だと感じました(野崎隆一)。

3.8月10日(金)、輪島市内にて、輪島市の復興状況についての聞き取り。土蔵の視察。
・8:12 のと鉄道七尾〜和倉温泉
 〜8:17
・8:30 レンタカー(5人乗り)にて和倉温泉駅出発。能越自動車道能登自動車道経由、
 〜10:30 輪島市千枚田→金蔵5か寺の内の正願寺(真宗大谷派)を視察。
・11:00 輪島市谷口寛総務部長と懇談(輪島市役所)。
 〜12:10

■石川県震災対策専門委員会(委員長・室崎益輝消防庁消防研究センター所長)
 委員14人が能登半島地震の際の初動対応や被災者支援などを検証し、改善点などを探った。全3回の会合で課題を取りまとめ、来年5月をめどに見直す県地域防災計画に反映させるとのこと(新聞記事あり)。

輪島市震災復興計画策定懇話会(会長・川上光彦・金沢大学大学院自然科学研究科教授)7月30日に第3回会合が開かれ、市長に復興計画素案を提出した(新聞記事あり)。

輪島市は、門前町を含めて被災地の再建のために、各地域にまちづくり協議会的なものを設置し、輪島市の方針を浸透させるという意向。その理由にの一つには、輪島市および門前町には七尾市のようなまちづくり活動をしている団体がないということ。いずれにしろ、輪島市にも中間支援組織を設けなければ、すべてが行政主体になる心配がある。輪島青年会議所OBなどが、七尾の内山さんたちとつながっているようだが、朝市や輪島塗という伝統産業あるいは観光産業の再建・活性化には奔走しても、どれだけ一般の被災者の住まい再建や暮らし再建にも目を向けるのかがポイント。今の段階では、地域全体でのコミュニティ再建を念頭に入れた復興計画がつくられ、実行するという「合意」のしくみをどうつくれるのかは、まったく見えない。それこそ、広原盛明先生が提案している「中山間地サミット」のようなものを輪島市内で開催するという”しかけ”が必要だと思います(村井雅清)。
・13:40 塗師屋・大崎漆器店 当主 大崎庄右エ門氏宅「住宅兼土蔵の仕事場」の視察
 〜14:40 (輪島市凰至町)。
 同所にて萩野紀一郎氏(萩野アトリエ)、清家剛氏(東京大学准教授)、金沢美大学生らの説明を受ける。

輪島市鳳至町の土蔵保存をしている水野雅男さんグループ
 輪島市工房長屋の傍に、活動の拠点として「あての家」を借り、海外災害支援のNGO「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」と連携し、大工手伝いボランティアや左官手伝いボランティアを募集し、専門家との連携で被災のあった漆器店や酒屋の土蔵の保存活動を展開している。

4.14:50 輪島市内→JR金沢。
 〜16:50

5.8月10日(金):JR金沢(17:57/サンダーバード46号)〜JR大阪(20:36)。

  以上

【「復興支援ネットワーク・能登中越沖」事務局】
兵庫県震災復興研究センター
650-0027
神戸市中央区中町通3-1-16、サンビル201号
TEL 078-371-4593/FAX 078-371-5985
Eメール td02-hrq@kh.rim.or.jp