2011年3月15日
兵庫県震災復興研究センターの出口俊一です。
3月15日(火)、「兵庫県知事への緊急提言」を提出し、記者発表をしました。
東日本大震災〔3月11日(金)午後2時46分発災、マグニチュード9.0〕の被災地では14日現在、死者は3000人超に上り、行方不明者は2万人以上。10県でおよそ53万人の方が避難所暮らしを強いられています。
犠牲者のご冥福をお祈りしますとともに、被災地と被災者のみなさま方に心からお見舞いを申し上げます。そして、一日も早い救援・復旧・復興を願う次第です。
阪神・淡路大震災の被災地からも早速、救援活動が開始されています。16年前の阪神・淡路大震災以来、調査・研究、政策提言を積み重ねてきました兵庫県震災復興研究センターは本日(3月15日)、下記の「兵庫県知事への緊急提言」(添付ファイル)を提出し、記者発表をしました。
引き続き、政策提言や今後の取り組みにつきまして、集中的に検討を重ねていきます。
2011年3月15日
兵庫県知事
井戸 敏三様
兵庫県知事への緊急提言
平素は県民・市民のため、防災・減災にご尽力いただき、厚く御礼申し上げます。
さて、このたびの東日本大震災に対しては、私どものみならず全国民、全世界の人々が心を痛め、何か支援ができないかと腐心しているところであります。
兵庫県震災復興研究センターは、阪神・淡路大震災の復興過程をこの16年間見つめてまいりましたが、その経験から、今回の大震災の復旧・復興について、以下の点をご提案申し上げる次第です。
現在なお余震がつづき、生命・生存が脅かされており、人命救助、安否確認などに大いに力を注がなければならない段階と思われますが、早晩、被災者の生活回復、復旧・復興が課題となってまいります。その際、自治体の果たす役割がきわめて重要であることは言うまでもありません。
報道等によれば、行政機関もろとも壊滅的に破壊された地域も多く、少なからぬ自治体が機能麻痺もしくは著しく弱体化していると想像されます。当然、国や被災地外自治体からの支援が求められますが、兵庫県は阪神・淡路大震災の際に全国からの支援を受けたこと、および被災の経験を有していることから、全国自治体の中でも特別の責務があると考えます。
すでに、関西広域連合としての支援策を決めて宮城県への支援を決めておられますが、兵庫県は率先して被災自治体への行政支援を行う用意がある旨のメッセージをいち早く表明し、以下のような行動を起こされるよう提案申し上げます。
1.国による、全国自治体の支援体制構築戦略がどのように提起されるか、その動向を見極めながらも、兵庫県および被災12市(旧10市10町)は、率先して支援を行う用意があることを表明する。
2.仮に、国によるイニシアティブが発揮されない、もしくは極めて遅いと判断される場合、率先して被災自治体に支援を申し入れる。具体的な支援の仕方としては、今回の災害が超広域災害であることから、1県で全域に支援を行うことは無理であり、重点的に支援を行わざるを得ないことから、例えば以下のような方法を検討する。
(1)兵庫県内の阪神・淡路大震災の被災自治体(旧10市10町)に呼びかけて、友好支援県の被災市町村に集中的に支援活動を行うよう呼びかける。
(2)兵庫県内の民間事業者等に上記被災県・市町村への支援活動に協力を呼びかける。
(3)県民に対しても、阪神・淡路大震災当時に受けた支援に報いるべく、積極的な支援、ボランティア活動などを呼びかけ、県においてその申し出を受け、支援の準備態勢を整える。
3.あわせて、この間の国内における地震災害に直面した被災体験自治体(県)に対して、上記と同様の行動をとられるよう、呼びかける。
4.上記の趣旨を、全国知事会や国に伝え、全国的な支援体制が早急に構築されるよう求める。
以 上
事務局長 出口 俊一(阪南大学講師)
650-0027 神戸市中央区中町通3-1-16、サンビル201号
電 話:078-371-4593
ファクス:078-371-5985
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