兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

『検証 阪神・淡路大震災20年』(仮題)出版企画(第7次)

 2014年7月30日
『検証 阪神・淡路大震災20年』(仮題)出版企画(第7次)
○2013年12月22日(日)の第1回検証研究会を皮切りに、7月15日(火)の第6回検証研究会において、企画内容を確定しました。微調整後の内容は、下記の通りです。

○書名は、最終段階で確定する予定です。

○出版は、クリエイツかもがわ(田島英二代表取締役)に了承を得ています。

−記−

I.ねらい(目的)
1.阪神・淡路大震災(大震災)の復興の全体的な総括を行う。
・「創造的復興」論の本質を明確にする。被災者の生活再建、生業の再建を第一義とする復興をめざす。
・大震災の復興政策の決算を行う。

2.7,300日(20年)の復興過程の検証を行い、解決すべき復興課題を明らかにする。
・大震災から20年経ってわかることを整理する。

3.2011年3月の東日本大震災への“照射”を行い、東日本大震災4年の復興過程を整理する。
阪神と東日本の単純な比較をする(図表)。
阪神から学んでいること、学んでいないことを整理する。
阪神から東日本へ行っている人々の声・見解を記す。

4.今後の災害復興の備え、災害復興制度の確立に向けた提言を行う。
・次の大災害に向けた提言を行う。

II.書 名(案)
1.検証 阪神・淡路大震災20年(7,300日)
2.検証 阪神・淡路大震災20年−今後の大災害に備える−
3.阪神・淡路大震災−20年(7,300日)の復興過程を問う−
4.大震災20年と被災者の人権(権利)
5.検証 大震災20年
6.検証 大震災20年、それから(これから)−阪神から東日本へ−
7.20年経って見えたこと(わかったこと)
   ―阪神・淡路大震災の光と影― or ―阪神・淡路大震災20年の検証
8.いまだからわかること
   ―阪神・淡路大震災の光と影― or ―阪神・淡路大震災20年の検証
9.阪神・淡路大震災20年から東日本大震災4年へ

III.内 容
 「阪神・淡路大震災20年後、被災地・被災者は果たして復興ができているのか」という問題提起から始め、「実は、復興ができていない現実がある。なぜできていないのか。では、真の復興とは何だったのか」という構成にする。これを構成の大きな一つの柱にする。

 あとは、「阪神・淡路大震災の教訓がどこまで、以降の災害に生かされているのか、生かされていないのか」という検証をもう一つの検証の柱にする。

 執筆にあたっては、書きたいことと、客観的に求められていることのバランスを考慮する。

1.目 次(案)                        執筆担当者
 ※ 下記の「執筆担当者(案)」の欄には、これまでの検証研究会において推薦のあった方のお
  名前を記しており、多くの方の了解を得ていますが、いまだ了解を得ていない方もおられます。

  はしがき−大震災の20年                     塩崎 賢明   /2頁

〔1〕検証―阪神・淡路大震災〔各論〕⇒各4頁

現状、生活、制度⇒格差と貧困、被災地の“光と影”、“復興災害”、行き詰まる制度を
リアルに描く。

(1)「借上公営住宅
了解  (1)「借上公営住宅」とは何か                出口 俊一(4頁)
了解  (2)問題発生から4年、明らかになったこと 出口 俊一(4頁)
了解  (3)入居者の声                       安田 秋成(2頁)
了解  (4)今後の課題 出口 俊一(2頁)
                                /3項目分12頁におさめる.

(2)新長田駅南地区再開発
了解  (1)被災住民不在の都市計画の失敗と財政進め方   増田  紘(4頁)
了解  (2)被災商業者の声(1)                    中村 専一(2頁)
了解  (3)被災商業者の声(2)                    谷本 雅彦(2頁)
了解  (4)ビル管理とまちの再生−20年経って           出口 俊一(4頁)
/3項目分12頁におさめる.

了解(3)震災障害者                       岡田 一男
了解(4)震災アスベスト                     森  裕之
了解(5)災害援護資金                      岩田 伸彦
了解(6)中小商工業者の借入金                  黒田 達雄、出口 俊一
了解(7)被災者支援と民間医療機関への公的支援          武村 義人
了解(8)「創造的復興」論=医療産業化の危険           武村 義人
了解(9)孤独死                         田中 正人
了解(10)復興公営住宅内の入居者と地域のつながり        金持 伸子
了解(11)復興公営住宅の支援活動                 東條 健司
了解(12)復興公営住宅の評価                   黒田 達雄
了解(13)マンション再建                     若原キヌコ
了解 (14) 建築家はどのような役割を果たしたのか          竹山 清明
了解(15)区画整理:御蔵(神戸・長田)              宮定  章
      権利関係、建物用途に着目した再建動向
了解(16)区画整理:御蔵(神戸・長田)              宮定  章
      まちづくり協議会の苦悩
了解(17)神戸の地場産業・ケミカルシューズ            増田  紘、北野 正一
了解(18)神戸空港                        高田 富三
了解(19)神戸港                         柳澤  尚
了解(20)TPP参加と復興                    柳澤  尚
  /24項目×4頁=96頁

〔2〕復興の備え−阪神・淡路大震災から東日本大震災へ−⇒各4頁
−これから(20年以降)求められるもの−

 ここでは、阪神・淡路大震災の教訓が東日本大震災において、どこまで生かされているのか、生かされていないのかを説明しながら、今後の政策提言を行う。
 ここの項目は、災害直後の対応がその後の復興を大きく左右するということを強調しておく。

了解(1)再生エネルギー                     西川 榮一
了解(2)災害ボランティア                    村井 雅清
了解(3)中間支援組織                      青田 良介
了解(4)災害医療                        永井 幸寿
了解(5)災害看護                        永井 幸寿
了解(6)「復興基金」                       青田 良介
了解(7)義援金 青田 良介
了解(8)被災者台帳システム 山崎 栄一
了解(9)災害対策基本法                     山崎 栄一
了解(10)災害救助法                       永井 幸寿
了解(11)災害弔慰金法                      永井 幸寿
了解(12)被災者生活再建支援法                  津久井 進
    ※ 子ども被災者支援法にも言及する。
了解(13)災害時の私見保護制度                  津久井 進
了解(14)災害復興制度                      津久井 進
/14項目×4頁=56頁

 

〔3〕検証―阪神・淡路大震災/総論⇒4頁または6頁

総論を最後に配置することで、「なぜ、復興ができていないのか。真の復興とは何か」としたストーリーをすっきりさせる。

了解(1)現代技術都市                      西川 榮一
了解(2)宅地開発と都市計画                   田結庄良昭
了解(3)「創造的復興」批判−「安全神話」と「成長神話」−    池田  清
了解(4)被害額と復興財政                    豊田 利久
了解(5)復興の枠組み、復興財政                 塩崎 賢明
了解(6)国際的枠組み                      豊田 利久
/6項目×4頁=24頁
〜6項目×6頁=32頁
〔資料〕
了解   兵庫県震災復興研究センターの20年           出口 俊一 /6頁

了解■現行の被災者支援策一覧                   山崎 栄一
                                  津久井 進
                                  出口 俊一 /10頁

  あとがき 西川 榮一 /2頁

                                  /全体で196頁〜208頁

執筆者一覧※50音順
 ○青田 良介(あおた りょうすけ、兵庫県立大学政策科学研究所客員研究員)
 ○池田  清(いけだ きよし、神戸松蔭女子学院大学教授)
 ○岩田 伸彦(いわた のぶひこ、阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議事務局長)
 ○岡田 一男(おかだ かずお、NPO法人よろず相談所副理事長)
 ○金持 伸子(かなぢ のぶこ、日本福祉大学名誉教授)
 ○北野 正一(きたの まさかず、兵庫県立大学名誉教授)
 ○黒田 達雄(くろだ たつお、一級建築士・新建築家技術者集団全国幹事)
 ○塩崎 賢明(しおざき よしみつ、立命館大学政策科学部教授)
 ○田結庄良昭(たいのしょう よしあき、神戸大学名誉教授)
 ○高田 富三(たかた とみぞう、行政書士・神戸再生フォーラム事務局長)
 ○竹山 清明(たけやま きよあき、京都橘大学現代ビジネス学部教授)
 ○武村 義人(たけむら よしと、医師・兵庫県保険医協会副理事長)
 ○田中 正人(たなか まさと、株式会社都市調査計画事務所代表)
 ○谷本 雅彦(たにもと まさひこ、新長田駅南再開発を考える会事務局長)
 ○津久井 進(つくい すすむ、日本弁護士連合会災害復興等支援委員会副委員長)
 ○出口 俊一(でぐち としかず、兵庫県震災復興研究センター事務局長)
 ○東條 健司(とうじょう けんじ、週末ボランティア代表)
 ○豊田 利久(とよだ としひさ、神戸大学名誉教授)
 ○永井 幸寿(ながい こうじゅ、弁護士・日本赤十字看護大学講師)
 ○中村 専一(なかむら せんいち、神戸市長田区・大橋三丁目自治会長)
 ○西川 榮一(にしかわ えいいち、神戸商船大学名誉教授)
 ○増田  紘(ますだ ひろし、一級建築士兵庫県自治体問題研究所副理事長)
 ○宮定  章(みやさだ あきら、NPO法人まち・コミニュケーション代表理事
 ○村井 雅清(むらい まさきよ、被災地NGO恊働センター代表)
 ○森  裕之(もり ひろゆき立命館大学政策科学部教授)
 ○柳澤  尚(やなぎさわ ひさし、農業・食糧・健康を守る兵庫県連絡会事務局長)
 ○安田 秋成(やすだ あきなり、阪神・淡路大震災被災者ネツトワーク代表世話人
 ○山崎 栄一(やまさき えいいち、関西大学社会安全学部准教授)
 ○若原キヌコ(わかはら きぬこ、被災地クラブ代表)

編集協力者
 ○小川  昭(おがわ あきら、兵庫県保険医協会事務局次長)
 ○奥田 博子(おくだ ひろこ、兵庫県震災復興研究センター事務局)

IV.字 数
1.本編⇒タテ書き・1段
○〔1〕検証−各論と〔2〕復興の備えは、1項目・4頁.

 〔3〕検証−総論は、4頁または6頁.5頁は不可.

○1頁:45字×18行=810字
◆4頁の場合⇒810字×4頁=3,240字(タイトル、図表・写真などを含む).節と節との間は、空けますので、3,240字分書けるということではありません.

◆6頁の場合⇒810字×6頁=4,860字(タイトル、図表・写真などを含む).節と節との間は、空けますので、4,860字分書けるということではありません.

○4頁の場合、見開き2ページに図表または写真を1点挿入.合計2点以上挿入.

 2.資料は、最後のページからスタートして、横書きにする。
 3.全体で、200ページ程度のボリュームにする。

V.今後の日程
 1.原稿の締切は、2014年9月14日(日)午後6時とします。
 2.執筆者の校正は、2回を予定しています。
 3.12月中旬には完成させる予定です。なお、奥付けは、「2015年1月17日」とします。

VI.留意点
 1.本書完成後の普及目標を予め決めておきます。
 2.本書執筆にあたっては、原稿料を出せないことの了承を得ます。執筆のお礼は、完成本の献本とします。

以上


【連絡先】
兵庫県震災復興研究センター
653-0041
神戸市長田区久保町7丁目4番10号
http://goo.gl/maps/J5UFe
電話:078(691)4593
FAX:078(691)5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
ホームページ:http://www.shinsaiken.jp/