兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

『大震災20年と復興災害』出版のお知らせと紹介のお願い

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『大震災20年と復興災害』出版のお知らせと紹介のお願い

                   兵庫県震災復興研究センター
                      事務局長 出口 俊一

冠省。2013年12月22日(日)の第1回検証研究会を皮切りに、この1年間、阪神・淡路大震災20年の検証作業に取り組み、そのまとめとして『大震災20年と復興災害』(クリエイツかもがわ)を2015年1月17日、出版するはこびとなりました。I.ねらい(目的)、II.目次、III.執筆者一覧、IV.検証作業の経過などは下記の通りです。
1月6日(火)に完成の予定です。出版のお知らせと本書のご紹介などをお願いする次第です。


ダウンロード:『大震災20年と復興災害』チラシ(PDF:1,404KB)

−記−

I.ねらい(目的)

1.阪神・淡路大震災(大震災)7,300日(20年)の復興過程の検証を行い、解決すべき復興課題を明らかにする。そして、「創造的復興」論の本質を明確にし、被災者の生活再建、生業の再建を第一義とする復興をめざすとともに、大震災の復興政策の決算を行う。

2.2011年3月の東日本大震災への“照射”を行い、東日本大震災4年の復興過程を検証し、阪神から学んでいること、学んでいないことを整理する。

3.今後の災害復興の備え、とりわけ次の大災害に向けた災害復興制度確立に向けた提言を行う。


II.目 次

 はしがき                             塩崎 賢明
  阪神・淡路大震災−復興災害の20年                   /  5頁

(I).検証−阪神・淡路大震災
1.高齢の被災者の健康や安心、そして幸福を脅かす「借上公営住宅」問題
1理不尽な「借上公営住宅」からの強制的退去              出口 俊一
 2「終の住処」を守るたたかい−震災から五度目の危機を迎えて 安田 秋成
2.復興まちづくり事業のもたらす復興災害
 1新長田駅南地区再開発の実態                   増田  紘
 2出るも地獄残るも地獄                     中村 専一
 3「市場経済」と「不動産価格」を破壊した新長田駅南地区再開発事業  谷本 雅彦
 4新長田駅南地区再開発の現状と課題                出口 俊一
区画整理がもたらす復興災害                   宮定  章
6まちづくり協議会の苦悩                      宮定  章
3.建築家の果たした役割                     竹山 清明
4.神戸空港−「希望の星」から「赤字の星」へ             田 富三
5.復興した神戸港は今                       柳澤  尚
6.「災害孤独死」とはなにか                    田中 正人
7.震災障害者を生きる                       岡田 一男
8.震災アスベスト−潜伏する復興災害                 森  裕之
9.災害援護資金制度−借り入れた人々のその後              岩田 伸彦
10.被災患者と医療機関の復興                    武村 義人
11.生活再建か「創造的復興」か                   武村 義人
12.復興公営住宅入居者と地域とのつながり             金持 伸子
13.「週末ボランティ」の20年−仮設住宅から復興公営住宅20年     東條 健司
14.被災マンション復興過程の現実                  若原キヌコ
15.ケミカルシューズ産業は復興したか                増田  紘
16.神戸港から見た輸入食糧−暮らしを壊すTPP            柳澤  尚
   /100頁

(II).復興の備え−阪神・淡路大震災から東日本大震災
1.ボランティアの20年−神戸からの提言               村井 雅清
2.中間支援組織−さまざまな支援者、スタンスをつなぐ        青田 良介
3.災害医療の体制はできているか                   永井 幸寿
4.被災者に寄り添う災害看護                     永井 幸寿
5.復興基金−被災者支援に不可欠な裏技               青田 良介
6.義援金−寄付者の思いが伝わる方策を          青田 良介
7.被災者台帳システムのさらなる普及を   山崎 栄一
   8.災害対策基本法−改正の意義と残された課題          山崎 栄一
9.災害救助法−被災者救済にもっと活用を               永井 幸寿
10.災害弔慰金法−実態に即して関連死の認定を             永井 幸寿
11.被災者支援法のこれまでとこれから                 津久井 進
12.大切な災害時の私権保護制度                    津久井 進
13.急がれる災害復興制度の確立                    津久井 進
14.福島・東日本の復興と再生可能エネルギー体系への転換         西川 榮一
   / 56頁

(III).災害多発社会への備え
   1.現代技術都市と災害への備え               西川 榮一
  2.牙をむく自然災害−多発する豪雨災害             田結庄良昭
  3.牙をむく自然災害−火山活動                 田結庄良昭
4.宅地開発と都市計画                       田結庄良昭
   5.阪神の教訓と東日本の復興                池田  清
6.被害額と復興財政                        豊田 利久
7.国際的枠組み                           豊田 利久
   / 38頁

 兵庫県震災復興研究センターの20年を振り返って           出口 俊一
〔資料〕兵庫県震災復興研究センター20年の活動一覧            / 12頁

  最新版・現行の被災者支援策                     山崎 栄一
                                  津久井 進
                                   出口 俊一
   / 10頁

   あとがき 出口 俊一
   /  3頁

   /全体で242頁

III.執筆者一覧 ※50音順

 ○青田 良介(あおた りょうすけ、兵庫県立大学政策科学研究所客員研究員)
 ○池田  清(いけだ きよし、神戸松蔭女子学院大学教授)
 ○岩田 伸彦(いわた のぶひこ、阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議事務局長)
 ○岡田 一男(おかだ かずお、NPO法人 よろず相談所副理事長)
 ○金持 伸子(かなぢ のぶこ、日本福祉大学名誉教授)
 ○塩崎 賢明(しおざき よしみつ、立命館大学政策科学部教授)
 ○田結庄良昭(たいのしょう よしあき、神戸大学名誉教授)
 ○田 富三(たかた とみぞう、行政書士・神戸再生フォーラム事務局長)
 ○竹山 清明(たけやま きよあき、京都橘大学現代ビジネス学部教授)
 ○武村 義人(たけむら よしと、医師・兵庫県保険医協会副理事長)
 ○田中 正人(たなか まさと、株式会社都市調査計画事務所代表)
 ○谷本 雅彦(たにもと まさひこ、新長田駅南再開発を考える会事務局長)
 ○津久井 進(つくい すすむ、日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)
 ○出口 俊一(でぐち としかず、兵庫県震災復興研究センター事務局長)
 ○東條 健司(とうじょう けんじ、週末ボランティア代表)
 ○豊田 利久(とよだ としひさ、神戸大学名誉教授)
 ○永井 幸寿(ながい こうじゅ、弁護士・日本赤十字看護大学講師)
 ○中村 専一(なかむら せんいち、神戸市長田区・大橋三丁目自治会長)
 ○西川 榮一(にしかわ えいいち、神戸商船大学名誉教授)
 ○増田  紘(ますだ ひろし、一級建築士兵庫県自治体問題研究所副理事長)
 ○宮定  章(みやさだ あきら、NPO法人 まち・コミニュケーション代表理事
 ○村井 雅清(むらい まさきよ、被災地NGO恊働センター代表)
 ○森  裕之(もり ひろゆき立命館大学政策科学部教授)
 ○柳澤  尚(やなぎさわ ひさし、農業・食糧・健康を守る兵庫県連絡会事務局長)
 ○安田 秋成(やすだ あきなり、阪神・淡路大震災被災者ネツトワーク代表世話人
 ○山崎 栄一(やまさき えいいち、関西大学社会安全学部准教授)
 ○若原キヌコ(わかはら きぬこ、被災地クラブ代表)

編集協力者
 ○小川  昭(おがわ あきら、兵庫県保険医協会事務局次長)
 ○奥田 博子(おくだ ひろこ、兵庫県震災復興研究センター事務局)

写真提供者
 ○塩崎 賢明、○田結庄良昭、○竹山 清明、○東條 健司、○村井 雅清


IV.検証作業開始から完成までの経過

【2013年】
 ◎12月22日(日)○第1回検証研究会 (新長田勤労市民センター、28人)

【2014年】
 ◎ 1月15日(水)○灘の酒造業についての聞き取り調査 (灘五郷酒造組合、11人)
 ◎ 1月27日(月)○新長田駅南再開発問題研究会 (新長田勤労市民センター、6人)
 ◎ 1月29日(水)○ケミカルシューズ産業についての聞き取り調査(ケミカルシューズ産業会館、11人)
 ○ケミカルシューズ産業についての検討会(震災研究センター事務所、10人)
 ◎ 2月 6日(木)○震災研究センター第129回拡大常任理事会(兵庫県立神戸生活創造センター、8人)
 ◎ 2月15日(木)○西宮北口周辺の現地説明会&見学会 (西宮市立高木公民館、35人)
 ◎ 3月17日(月)○『阪神・淡路大震災20年検証 中間報告書』発行
 ◎ 3月21日(金)○第2回検証研究会 (新長田勤労市民センター、10人)
 ◎ 4月17日(木)○神戸港見学会 (兵庫県立生活科学総合センター、12人)
 ◎ 4月28日(金)○第3回検証研究会 (新長田勤労市民センター、7人)
 ◎ 6月 2日(月)○第4回検証研究会 (新長田勤労市民センター、7人)
 ◎ 6月28日(土)○神戸空港検証研究会 (神戸市立地域人材支援センター、15人)
 ○第5回検証研究会 (神戸市立地域人材支援センター、14人)
 ◎ 7月15日(火)○第6回検証研究会 (新長田勤労市民センター、10人)
・企画を確定
 ◎   19日(火)○原稿の依頼開始と承諾手続き.以後、執筆者各位との連絡・調整.
 ◎ 9月14日(日)○原稿の締切(午後6時)
 ◎ 9月14日(日)○出版社への出稿開始、同時に、未提出原稿の督促開始.
  〜10月26日(日)
 ◎11月2日(日) ○第1次校正(執筆者)
  〜11月11日(火)
 ◎11月22日(土)○第2次校正(執筆者)
  〜11月29日(土)
 ◎上記と同時期  ○出版社の編集担当者と別途、出版社内の校正担当者が並行して校正作業
 ◎12月4日(木) ○第3次校正 (編集委員/1人、6時間半、クリエイツかもがわ)
 ◎12月9日(火) ○第4次校正 (編集委員/3人、7時間、クリエイツかもがわ)
◎12月10日(水)○第5次校正 (編集委員/3人、各自)
  〜12月15日(月)
 ◎12月17日(水)○第6次校正・校了編集委員/2人、8時間半、クリエイツかもがわ)

【2015年】
 ◎ 1月 5日(月)○完成〔1,500部、2,200円+税〕
 ◎ 1月 6日(火)○震災研究センターの事務所に搬入 ※予定
 ◎ 1月17日(土)○発行日
以上


【連絡先】
兵庫県震災復興研究センター
653-0041
神戸市長田区久保町7丁目4番10号
http://goo.gl/maps/J5UFe
電話:078(691)4593
FAX:078(691)5985
Eメール:td02-hrq@kh.rim.or.jp
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