兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

福島原発事故 漂流する自主避難者たち

福島原発事故 漂流する自主避難者たち

著者:戸田典樹
出版社:明石書店
定価:2,400円(税別)
判型:A5判、204ページ
ISBN 9784750343334
2016年3月刊
出版社の紹介ページ


《目次》

はじめに

第一部 放置される自主避難者問題

第1章 放置できない自主避難者問題[戸田典樹]
 1 「子ども被災者支援法」基本方針策定(2013)における「避難の権利」の曖昧化
 2 「子ども被災者支援法」基本方針の見直し(2015)による「避難の権利」の形骸化
 3 「避難の権利」の曖昧化・形骸化による自主避難者の苦悩
 4 被災者すべての権利・生活を保障するために

第2章 大規模調査からみる自主避難者の特徴――「過剰な不安」ではなく「正当な心配」である[辻内琢也]
 1 はじめに
 2 NHK/WIMAアンケート調査の概要
 3 自主避難者にみられる高いストレス度とその要因
 4 自主避難者のおかれている心理・社会・経済的状況
 5 自由記述の分析から読み取れる自主避難者の特徴
 6 安心神話と価値観の対立の根拠
 7 放射線に関するアンケート調査結果
 8 新たな自主避難者の急増と今後の展望
 9 結論


第3章 自主避難者の今 何が困難を引き起こしているか――アンケート調査よりの分析[伊藤泰三・河村能夫]
 1 調査の概要
 2 集計結果の概要
 3 統計解析から見える自主避難者の特徴について
 4 他調査から見える避難生活の特徴

第4章 漂流する母子避難者の課題[田中聡子]
 1 限定された支援の現状
 2 先行研究から見る母子避難の現状と課題
 3 避難を続けることによって生まれる新たな問題
 4 母子避難者問題の解決に向けて

第5章 子どもの安全、安心な未来のため親としてできること[田中聡子]
 1 避難生活を続ける母親
 2 父親として子どもを守りたい
 3 帰還者からみる子どもの安全、安心

 COLUMN
  子どもの未来、家族の幸せを願って[渡部朋宏]
  知ってほしい、考えてほしい福島の現実[渡辺成子]


第二部 自主避難者問題の構造を考える

第6章 限定される自主避難者の損害賠償[渡部朋宏]
 はじめに
 1 日本における原子力損害賠償制度の概要
 2 自主避難者に対する損害賠償の指針
 3 自主避難者に対する損害賠償の状況と課題

第7章 自主避難者への社会的支援[大友信勝]
 はじめに
 1 原発事故と避難
 2 自主避難の構造
 3 被害者支援政策の裏切りと迷走
 4 チェルノブイリ原発事故の教訓
 結びにかえて


 おわりに
 編者・執筆者紹介