兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

「11・3第2回大震災15年検証研究会」報告

「11・3第2回大震災15年検証研究会」には予想を上回る20人が参加し、4時間活発に討議がなされました。

 ●日 時:2009年11月3日(火) 午後1時〜5時
 ●会 場:神戸市産業振興センター902(9階)
 ●内 容:1.震災復興と被災自治体の責任 
  ・報告者   池田   清氏(松蔭女子学院大学教授)
       2. 「事業別復興事業費」について 
         増田  紘氏(兵庫県震災復興研究センター常任理事)

 

11月4日、「毎日」が以下のように報道しました。

阪神大震災:被災15年の検証を 研究者らが意見交換−−復興研究センター” 
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20091104ddlk28040177000c.html
 研究者や弁護士らでつくるNGO「県震災復興研究センター」は3日、来年1月で15年を迎える阪神大震災の検証研究会を、神戸市内で開いた。同センターは震災15年を検証する本の出版を企画しており、執筆する学識者らがそれぞれの研究テーマを報告した。

 神戸松蔭女子学院大の池田清教授(都市政策論)は、復旧・復興政策について「16兆3000億円もの巨費が投じられたにもかかわらず、被災者の生活再建と被災地の再生が実現しなかった」と指摘。理由について「大規模開発が優先され、被災市民の自立を支える個人補償や地域型の住宅のほか、工場建設などによる中小零細企業や自営業の再建が軽視された」とした。

 また増田紘・同センター常任理事は「震災復興計画には、復旧・復興に直接関係のない便乗型事業も含まれている。そのため被災者の住宅再建が遅れた」と述べ、各事業の分析が必要と指摘した。

 同センターはこれまで、震災に関する研究書を10冊以上出版している。同センター代表理事の塩崎賢明・神戸大教授は「15年を振り返り、全体を総括したものを新たに発信したい」と話した。【重石岳史】

〔神戸版〕