兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

「借上公営住宅」にお住まいのみなさまへの重要な情報です

兵庫県震災復興研究センター

いま、神戸市は「借上公営住宅」の契約期間が終わるという理由で、転居を迫っています。被災者の声も聞かないままに、立退きを迫るのは、高齢の被災者の健康や安心を脅かす重大な問題です。

お住みの住宅から必ずしも出て行く必要はありません
 市に転居するように言われて、出て行かなければならないと思っている方がおられるかもしれませんが、絶対に出て行かなければならないわけではありません。
 まず、今の住宅に住み続けたい人は、その気持ちをはっきり言うことです。
 「借上公営住宅」は、市が民間家主やUR(都市機構)から借り上げて、公営住宅として賃貸しているもので、入居者に対しては、公営住宅の居住者として、その住まいを保障する必要があります。居住者が今のまま住み続けたい場合、その住まいを確保するのが当然なのです。

契約期間が切れるというが、契約を更新すればいい。
 契約期間は、神戸市と貸主(民間家主やUR)との間の問題です。貸主が、契約期間が切れたので、明け渡してくれという場合には、改めて交渉する必要がありますが、市の意向調査でも、ほとんどの貸主はいまのまま借り上げてほしいと望んでいるのです。
 被災者に対しては、最初に入居する際に、契約期間20年という話はありましたが、ほとんどの「入居許可書」にはそのことは書かれていませんし、「20年後に悪いようにはしない」というのが市の言い分でした。
 こうした経過を見れば、契約期間が切れるからといって、自動的に出て行けというのは、まったく筋の通らない話です。契約を更新して、今住んでいる人ところに住み続けられるようにするのが、入居者にとっても家主にとっても、望ましいのです。

早く転居したほうがいい場所に移れるというが、それには疑問が・・・
 市は、いずれ出て行かなければならないのだから、早くて転居するならいい場所に移れる、などと誘いをかけているようですが、誰もがいい場所に移れるわけではありません。
 元気な人、どこに移っても暮らしていける人は、転居するのもいいですが、高齢者や病気がちの人、隣近所とのつきあいができている人は、安易な誘いにのるのは気をつけましょう。病院や買い物や人付き合いが変わってしまうと、生活が変わり、体調を崩したり、病気が悪化したりすることもあるので、よくよく考えてからにしましょう。

アンケートには「今のまま住み続ける」という項目がないのが問題
神戸市の「借上市営住宅の住み替え等に関する意向調査」では「借上げ期間満了後のお住まいについて、希望されるものをお答えください」という質問で、以下の項目しか用意されていません。

1.市営住宅
2.民間住宅、親族の家などの市営住宅以外に転居する
3.家賃が上がっても、今の家に住みたい
4.その他(            )

これでは、今のまま住み続けたい人は選ぶ項目がありません。

今のまま住み続けたい人は、
 4 その他に○をつけ、(  )の中に (今のまま住みつづける)と記入しましょう。わからないことがあれば、下記にご相談ください(2010年12月)。

兵庫県震災復興研究センター
電話:078-371-4593
〒650-0027神戸市中央区中町通3-1-16、サンビル201号
Eメール: td02-hrq(at)kh.rim.or.jp
※Eメールの(at)は@に置き換えて送信ください。

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