兵庫県震災復興研究センター

阪神・淡路大震災の直後の大混乱の中で、いち早く被災者の暮らしの復旧、被災地の復興を目標として、日本科学者会議兵庫支部と兵庫県労働運動総合研究所が共同で個人補償の実施を中心内容とした「震災復興のための提言」を1月 29日に国と被災自治体に提出しました。そして、この2つの研究機関を母体に1995年4月22日、兵庫県震災復興研究センター(震災研究センター)が設立されました。

7・13地震・原発シンポジウム」を終えて

1.昨日のシンポジウム、質・量ともに成功させることができましたことに、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。参加者数は、16都府県(福島、茨城、東京、千葉、新潟、富山、静岡、愛知、福井、京都、大阪、兵庫、岡山、島根、山口、愛媛)+米国=125人(6月28日時点、42人)です。目標の100人を超えました。資料は、120部準備しましたが、足りなくなり急遽増し刷りをしました。「想定外」とはいえ、ご不便をおかけしましたこと、お詫び致します。

2.参加者の年齢は、大学3年生(20歳代)〜70歳代(推定)。市民、学生・院生、研究者、医師、弁護士、国会議員・市会議員・村会議員、マスコミ関係者−神戸、毎日(科学環境部)・2人、朝日(新潟総局、福島総局)・2人、読売(編集委員)、愛媛(編集委員)、映像ディレクターと作家−です。
 
3.参加者の感想文は、添付ファイルをご覧下さい。15人分です。神戸のマスコミの元幹部であった方が、「なぜ、こんなにたくさんの人が集まるの?」と言われていました。「どうしてでしょう。石橋先生と私の『迷惑メール』が功を奏したのでしょうか・・・」と冗談交じりに答えましたが、さて、どうしてでしょうか。

4.懇親会(5時30分〜8時、権太)は、36人でした。懇親を深め、楽しいひとときを過ごすことができました。

5.最後に忘れ物です。(1)鈴のついたカギ(3本)、(2)東大寺のお守りつきのカギ(2本)を預かっています。

 


2008年7月14日
7・13地震原発シンポジウム/参加者の感想

 

参加者の感想
ご提出いただきました15人の方の感想をまとめました。また、シンポジウムに参加したきっかけは、以下の通りです。
(6人)友人・知人、大学教授から誘われて (4人)チラシ (4人)電子メール

○各分野からの視点で把握でき、とても意義深いものでした。研究に役立てたいです。一般の方の参加が増えるとより意義深いと思います。(東京都、チラシ)
原発に頼らない地域の自立と復興の道が開ける明るい議論が、とても勉強になりました。最後の討論の時間が短く、少し残念でしたが、様々な分野の方のお話が聞けて非常に有
意義でした。ありがとうございました。(東京都、法政大学の教授から)
原発依存からの脱却は、喫緊の課題であり、地域をどう再生するかが現実、今求めらている地域である。既に原発が動いていたとしても、柏崎市財政破綻を起こしている。どう再生を図るか、残念ながら40年間、反対派、賛成派とせめぎ合ってきた地域で、地域再生を一緒に考えることは大変難しい。しかし、それをやらなければならないのです。もう少し、議論する時間が多くとれたらよかった。でも参加者一同が、真剣にこの問題を考えていただいたと思い感謝したい。同じテーマで柏崎で何とか開きたい。ぜひご協力を賜りたい。(新潟県柏崎市、石橋先生から)
○とても有意義でしかもわかりやすい講話でした。原発による発電はいずれ壁に当たる(ウラン採可量、核燃サイクルの技術的限界etc)と思います。しかし、明日起こるかもしれない地震による放射能災害を防ぐためには、止めておくしかない。それには地元で働く方々の雇用問題など、差し迫っていることを解決しない限り、空中戦の議論になりかねないことから、また今後、さらに具体的な提案を期待します。よろしくお願いします。(静岡県、友人・知人から)
○「地域経済と原発」というテーマ設定が、とてもよかった。内容的には、間口論的だったので、第2弾も期待します。冷房がきつくて寒かった。(京都府、チラシ)
○時間が、不足。特に地震と原子炉の破壊のメカニズムについてもっと聞きたかった。地域産業の振興についても議論したかった。まあ、止むを得ないと思いますが・・・。地震がなくても、原発は問題が多いですね。(大阪府東大阪市、チラシ)

○石橋先生の「可能性のあることは必ず起こる」という言葉の重たさを感じます。上町断層の想定外の揺れに対する新しい耐震基準の策定も「工学的処理」という名の経済性最優先の屁理屈をつけて、危険性の無理矢理のうすめを、いかにも合理的な仮面をかぶせてやろうとするものだと思います。昨年も参加しましたが、いっそう深まりました。(大阪府堺市、メール)
原発依存経済からの脱却の必要性の根拠を今日は、(?)原発震災(?)安全性(?)地域経済の歪みの観点から論じられましたが、もう一つの重要な論点は、(?)核兵器の廃絶があります。戦争体制のもとでは、核の平和的利用≒原子力発電はありえないというのが、戦後の歴史の教訓だと思います。原子力からいかに脱却し、持続的な地域の再生・発展をいかに図るかが私たちの最大の課題であり、本日のシンポジウムはとても時宜に適ったものだと思いました。こうした方向の発展が、地球温暖化への最も有効な対策にもなるでしょう。(兵庫県西宮市、メール)
○大変勉強になりました。清水報告は時々、頭の中が混乱しましたが、石橋報告では「原発震災」の構造、そのまったなしの危険度の構造について、これまで気にかかっていたことを含めてある程度、理解することができました。そして、保母報告ははじめてご本人から話を聞き、事例の豊富さからも改めて元気をもらった感じです。
要望ではありませんが、会場では質問ができなかったので、気にかかっていることを少し書き添えます。最初に質問された方(たしか新潟の方)の「当面どうすればよいのか」という質問と関連して、保母先生から産炭地での復興の例など大変勉強になりましたが、併せて、地域としての経済・産業等の復興策に止まらず、就労支援、とくに若者の就労支援のあり方など検討の必要があるように思いました。わが国でも若者や離職者の就労の問題に少し目が向けられ始めていますが、とくに被災地では単に新しい技術の習得だけでなく、生活支援を含めての対応策が本気で考えられるべきと、考えています。(兵庫県西宮市、チラシ)
○今日の議論を第一歩に、さらに深められることを期待します。(兵庫県伊丹市、チラシ、友人・知人から)
○レベルが高くて、メンバーが豪華で、私など質問するスベもないです。是非、講演録をつくって下さい。いつものことですが、時間が足りない。(兵庫県芦屋市、メール)
地震については、被災を受けた私には関心のある事柄の一つでした。しかし、地震の災害以外にも原発が与える被害は、日本全体に大きなものになることがわかりました。夕張の破綻の理由もよくわかりました。(兵庫県神戸市、メール)
○たいへん有意義なシンポジウムでした。伊方原発ではプルサーマル計画中止を求める県民的な共同のとりくみをすすめています。9月には石橋先生をお迎えして講演会を予定しています。それにしても四国電力は、今の温暖化問題を「風が吹いている」と自信過剰の状況です。柏崎刈羽、美浜からの報告もたいへん参考になりました。私たちも、伊方1号炉が30年を超えて、まず廃炉計画を示せと求めています。廃炉の件が今回いろいろ検討されたし、産炭地の歴史を見てみることなどが参考になりました。(愛媛県松山市、友人・知人から)
原発依存経済からの脱却に、現実性があるような展望を提示して頂き元気がでました。原発震災が起こるまでに原発を止めるよう、私たちも努力したい。清水先生が、廃炉時の低レベル放射能の一般ゴミ化を容認されるかの発言をされましたが、これは許せないと思います。若い人が運営に関わっておられ、これも将来が明るく感じられました。(友人・知人から)
再生可能エネルギーは、原発依存経済からの脱却と地域の再生に重要な観点である。松下照幸さんの話以外では、再生可能エネルギーが対象にならなかったのは残念である。ヨーロッパの動向は、非常に重要である。

事務局から
◎「有意義だった」とのご意見には、とりくんだ者としては、大変嬉しく思います。
◎「もう少し、時間を」とのご意見は、その通りです。ただ運営上、講師を含め遠路はるばる来られる方がおられることを考慮しますと、「午後1時〜5時」というのが精一杯の時間設定でした。1泊2日で実施すれば別ですが。「3人の講演と2人の現地報告」という内容は、準備の過程でイメージが膨らんだ結果でもありますが、「盛りだくさん」で「欲張りすぎ」たかも知れません。ただ、「理論と実践」の全体像を大づかみする端緒になったとしたら、これに勝るものはありません。